東工大発ベンチャー
受託研究会社 株式会社フォスメガ
     PhosMega Co., Ltd.
  ~異分野融合研究の成果を販売~


最終更新日 2012/06/02

本 社 東京都大田区北嶺町5番8-502号
研究所 京都市伏見区桃山長岡越中北町34-2
      リプリア・ドーマ フローラ号室
 
お問合せ先 【私設研究所】ネオテックラボ
       Neo-Tech-Lab.com 京都研究所
     e-mail   sentinelaska.terra.sol

 当社へのご連絡はメールでお願いいたします。

【お知らせ】--- 『電気学会 マグネティックス研究会
2012年06月21日、信州大学、長野
MAG-12-059 新技術“Random Path Holophonic センサー”による励磁音響信号源の三次元画像化に関する基礎研究
      ○阿部正紀(東京工業大学, フォスメガ),上田智章(フォスメガ),松下伸広,北本仁孝,半田 宏(東京工業大学)
【記載日】2012/06/02
  ●乱数の特徴を使い、たった1チャンネルの受波素子で3次元可視化を実現する技術です。
   この発表ではセンチネルリンパ節を『励磁音響方式』で検出する音響プローブに関する報告を行います。
   将来的に携帯電話への超音波スキャナ組み込みをローコストで可能にします。
  ●Kinectのデプスカメラの動作原理に似た技術の産です。
   空間スペクトラム拡散コーディング方式の音響センシング技術です。
   音源の3次元座標をたった1個のマイクで検出することができます。
   GPSにも応用可能です。現在のGPSは衛星が同時に4個観測できないと座標決定が行えませんが、
   多くの衛星を打ち上げる必要がなくなります。
       ⇒  【たった1チャンネルで音源座標を特定するマイクロフォン】【続き】
   

お知らせ
 現在実施中の基礎研究テーマのうち、薬事承認済み磁性流体リゾビスト(Resovist)を用いた励磁音響効果(外部から交流磁界を与えると弾性波が発生する)によって乳がん等の転移診断に有効なセンチネルリンパ節を発見する「励磁音響方式センチネルリンパ節検出センサ」を2009年4月より実用化研究フェーズに移行することに決まりました。

センチネルリンパ節検出センサ
 ■センチネルリンパ節ナビゲーション手術
 ■磁性流体をマーカーとする方法
 ■励磁音響効果とは?
 ■励磁音響検証結果
 ■励磁音響方式のメリット
 ■これまでの研究課題
 ■まとめ

受託研究会社株式会社フォスメガは、これ 以外にも癌や虚血性心疾患をターゲットとした基礎研究を多数実施しております。これらにつきましても随時、実用化研究フェーズへ移行させてゆく予定です。
会社紹介
 株式会社フォスメガは、東京工業大学の有志7名で2007年8月10日に設立したベンチャー会社です。特許出願した発明を基にして、新規技術の提案、原理検証、プロトタイプ開発、技術指導、技術研修、ライセンス契約等の受託研究を行う会社です。つまり自らの発明を売る会社なのです。2007年10月17日に東工大発ベンチャーの称号(称号授与番号: 第45号)を授与されました。原則として、1業種1社に対してのみ発明のライセンス契約を行います。

PhosMegaはギリシャ語で「大いなる光」を意味する言葉です。

事業内容の説明
 ■クライアントの抱える問題を自らの創意工夫と経験に基づいて解決するアイディアを創出します。この場合、創出された知的所有権はクライアントのものになります。
 創出したアイディアに基づいて理論検証や試作を行います。
 我々の発明(既に出願済みのもの)についてはお試しいただいた上でライセンス契約に移行することができます。
 電子技術(ハードウェア、ソフトウェア)の短期間修得を目指した出張講習を行います。
 技術文書や論文の英文化、海外での発表に関してお手伝いすることができます。 

スタッフ
      代表取締役社長 上田 智章 (Tomoaki Ueda)
      副社長     阿部 正紀 (Masanori Abe)
              半田 宏   (Hiroshi Handa)
                      
Adarsh Sandhu
    
   技術顧問    水本 哲弥 (Tetsuya Mizumoto)
                中川 貴   (Takashi Nakagawa)
                 多田 大  
  【事業内容】
1.医療機器、医療検査機器、医療用具等の研究、開発及び試作品の製造販売
2.電子計測機器、工業用機器の研究、開発及び試作品の製造販売
3.ロボットの研究、開発及び試作品の製造販売
4.コンピュータによる生体信号処理システムの研究、開発及び販売
5.コンピュータソフトウェアの開発及び販売
6.インターネットによる情報サービス業
7.インターネットを利用した通信販売業並びに情報提供の仲介
8.電子機器、コンピュータシステム、計測システム、電子計測技術に関するコンサルティング及び教育事業
9.電子回路、電子部品の開発設計、製造販売及び教育事業
10.前各号に付帯する発明、ソフトウェア等の知的所有権取得並びに販売
11.前各号に付帯する一切の事業
 
【発起人】(所属は設立当時のものです。)
東京工業大学 統合研究院 ソリューション研究機構    特任教授 上田 智章 ■阿部研
東京工業大学                                        名誉教授 阿部 正紀 ■阿部研
東京工業大学 大学院 生命理工学研究科
生命情報工学専攻 教授   半田 宏  半田研
東京工業大学 大学院 理工学研究科 電気電子工学専攻     教授   水本哲弥  ■水本研
東京工業大学 大学院 理工学研究科 電気電子工学専攻     准教授   Adarsh Sandhu
大阪大学大学院 工学研究科ビジネスエンジニアリング専攻 准教授    中川 貴  ■阿部研
東京工業大学 大学院 理工学研究科 電子物理工学専攻     助教      多田 大  ■阿部研
 

New センチネル・リンパ節検出用センサ
 

【図1】
磁性流体をマーカーとするセンチネル・リンパ節ナビゲーション手術の手順を説明する図

 第1ステップ:腫瘍近傍に磁性流体リゾビスト(Resovist)[MRI用造影剤として薬事承認済]を局注
 第2ステップ:軽いマッサージでマーカーの拡散を待つ。15分程度。
 第3ステップ:磁気プローブあるいは音響プローブでセンチネルリンパ節を探す。
 第4ステップ:センチネル・リンパ節を切除。
 第5ステップ:センチネル・リンパ節の生検を行っている間に、腫瘍部位を切除。
 第6ステップ:もし、生検でがん細胞の転移が発見されれば、周囲リンパ節を郭清する。

【図2】初期の直流励磁振動型磁気プローブのプロトタイプ      【動作原理動画】
   

【図3】英国の高温超電導SQUIDを使った磁気プローブ(SentiMag


 

                           written by 上田智章
センチネル・リンパ節ナビゲーション手術

 乳がんの手術においては、腫瘍部分の切除だけでなく、がんの転移を警戒して周囲のリンパ節も根こそぎ取り去る郭清(かくせい)が行われてきた。しかし、実際に郭清(かくせい)されたリンパ節の生検を行ってみると早期がんでは10例中1例程度しかリンパ節への転移は確認されない。
 周囲リンパ節の郭清は、入院期間が長期化するだけでなく、退院後もむくみや痛みの原因となる。免疫力も低下する。できれば温存する方が好ましいのである。
 こうした背景から、米国で考案された手術法『センチネル・リンパ節ナビゲーション手術』がある。

 乳がんの転移はリンパ液の流れに沿って下流側に発生する。そこで、腫瘍付近にマーカーを局注する。マーカーは時間とともにリンパ液の流れに沿って拡散する。マーカーが最初に到達して滞留するリンパ節をセンチネル・リンパ節と名付ける。もしセンチネル・リンパ節にがん細胞が見つかれば、がんが既に転移している可能性が高いことを意味する。この場合は従来通り周囲リンパ節の郭清を行い、抗がん剤か放射線治療を行う必要が生じる。
 しかし、もしセンチネル・リンパ節にがん細胞が見つからなければ、それ以降のリンパ節に転移している可能性はまずなく、郭清の必要性はない。

 米国では、マーカーとして放射性同位体を使う方法、色素を使う方法、両法を併用する方法が主流である。
 日本では、法令の関係で、放射線同位体を取扱うことのできる管理区域は厳しく制限されており、大病院以外では実施が困難である。また、色素法はアナフィラキシー・ショック等の報告がある。目視のため診断率も低い。
 動物実験レベルでは、蛍光法や量子ドットというものもあるが、人体への毒性が懸念される。

磁性流体をマーカーとする方法

 日本は世界に先駆けて、秋田大学医学部(小川純一教授、南谷佳弘准教授、片寄喜久講師らが、当時MRI造影剤として使われていたフェリデックスという磁性流体に着目し、センサを開発し、乳がん100例、肺がん等で100例の臨床試験を行っている。

 昨年、英国でもLondon Centre for NanotechnologyQuentin Pankhurst教授らが独自に高温超電導SQUIDを使ったプローブ(SentiMag)を開発し、12例の臨床試験を実施した。 このプローブはSQUIDを用いているため非常に高感度である。秋田大学のセンサが深さ3mmまでであったのに対して、深さ30mmの感度を持っている。しかし、欠点もある。液体窒素の冷却が必要であり、装置の調整作業が複雑である。また、電磁ノイズに対して非常に弱い。

 取扱規制のない磁性流体をマーカーとして用いる方法であれば、全国の病院でセンチネル・リンパ節ナビゲーション手術を実施することが可能になる。しかし、そのためには感度をSentiMagなみの30mmとし、取扱が簡単で、冷却の必要のない、低価格のプローブを開発しなければならない。

 3年前に、長野で行われた日本応用磁気学会でPankhurst教授とディスカッションした際、異なる原理で計測する方法を考案した。それが『励磁音響』方式である。

【図4】励磁音響効果
  磁性ナノ微粒子の磁化によって引き起こされる粒子同士の引力とブラウン運動による拡散

a) 磁石で磁化    b) 交流励磁動画    c) 励磁音響効果を説明する動画
   

d) 水のみ     e) 磁性流体
   
励磁音響効果とは?

 図4a)に示すように磁性ナノ微粒子を磁化すれば粒子同士は引き合う。スーパーパラ磁性では残留磁化はないので、磁化を止めればブラウン運動によって拡散する。
 交流励磁を行えば、この吸引と拡散が繰り返えされて弾性波が発生するはずである。交流励磁の周波数を上げれば弾性波の周波数も上げることができるはずである。図4c)の動画のような原理で振動するため励磁周波数の2倍の周波数の弾性波が発生するはずである。
 学会から戻ってすぐに確認実験を行った。何度かの試行錯誤の末、確かにかすかな音を聞き取ることができた。当時の装置は励磁コイルの振動も分離困難であったので、水だけのサンプルと磁性流体入りのサンプルを比較した。図4d)とe)の音を比べていただきたい。e)には倍音成分が含まれているため、高い周波数の音が聞こえる。励磁周波数は30Hzから10kHzまでsweepしている。
励磁音響検証結果

 徐々に実験技術を高めて行き、2007年3月27日に実施した励磁音響実験では図5のグラフのように明瞭な信号を検出することに成功した。線は励磁電流波形のリファレンス 信号であり、線は測定した弾性波である。弾性波は励磁周波数の2倍の周波数とな っていることがはっきりとわかる。磁性流体は、シグマハイケミカル社のM-300、薬事承認済みの磁性流体フェリデックス及びリゾビスト(Resovist)、東工大製のビーズ等で実施した。磁性流体を封入した擬似センチネル・リンパ節を1%アガール内の深さ1cmのところに埋め込み、表面に音響プローブを当てて計測を行った。
 
【図5】励磁音響効果によって発生した弾性波の実測波形の例
【図6】音響FDTD伝搬シミュレーションの動画

 
励磁音響方式のメリット

 磁場は距離の3乗に反比例して減衰するのに対して、音は距離の1乗に反比例して減衰するだけである。つまり、磁場よりも音の方が遠距離の探査では有利であると考えることができる。
 励磁波形との位相差を見るだけでもセンチネルリンパ節までの距離を求めることができる。
 
【図7】初期の実験装置


【図8】小型化・ローコスト化された実験装置
これまでの研究課題

 現在、センチネル・リンパ節検出用センサとして、磁性ナノ微粒子の「励磁音響効果」を用いた音響プローブと、まだ未公開の原理でセンサ感度を増感する技術を用いた超高感度磁気プローブの2種類を研究・開発している。 これは臨床側からの要求が多様であるため、単一方式だけではカバーしきれない場合のリスクを回避するためである。
 上述したように、基本的な動作原理は1年半程前までに既に確認済みである。これまで実施してきた研究・開発は、共同研究する医療機関にて臨床試験を開始するにあたって、装置の小型化・低価格化、耐ノイズ性能の向上、システムのまとめを行うことであった。
 実際、基本原理確認を実施した当初のシステム構成は、音響アンプが簡単なものだったこともあるが、図1のような非常に大きなバイポーラ・アンプが必要だった。そのままでは、1セット100万円程度必要になってしまうので、音響計測用回路、駆動アンプ、データ・ロガーを一体化して、図2の構成まで改良を行った。直交同期検波回路、A/Dコンバータ、DDS等をロジック化したことにより小型化を行うことができた。
 この計測システムは多目的に利用することができるように設計されている。超高感度磁気プローブもセンサ部の回路は外付けになるが同じ回路でよい。センチネル・リンパ節検出用センサだけでなく、他6つの研究テーマでも同じコアを利用している。他にも
SQUIDなど様々な計測に利用することができるだろう。
 まだ将来的に感度を100倍程度増感できる余地を残しているが、現時点でも交流励磁によって10μg程度の磁性微粒子が発生する弾性波を直線距離で3cmで捕捉することに成功している。
 
まとめ

 動物実験を皮切りにいよいよ臨床試験段階に入る。計測システムの改良は続行する。
2009年4月からは本プロジェクトへの医療機器メーカーの参加も歓迎いたします。
 

   

記載内容変更日 2009年01月17日

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【Holophonic Sensor with Random Holes】1chで音源座標を特定できるマイクロフォン

電気学会マグネティックス研究会(2012年6月21日発表)
   MAG-12-059 新技術“Random Path Holophonic センサー”による励磁音響信号源の三次元画像化に関する基礎研究
   ○阿部正紀(東京工業大学, フォスメガ),上田智章(フォスメガ),松下伸広,北本仁孝,半田 宏(東京工業大学)

多数の小穴をランダムに配置したマイクロフォンは、音源の3次元座標に固有のインパルス応答を持つので、1chでも音源の3次元座標を特定することができます。
将来的には、携帯電話やモバイル機器に、医療用超音波断層撮影装置の機能を組込んで、健康管理ツールとして利用できる可能性があります。